建物・付属物の所有・管理をめぐる問題の中で高齢者に対して優しい環境を作るための問題を考えてみましょう。
ご興味にある方は、是非ご参考にしてみてください。

高齢者に優しい環境を作るには、修繕工事についてどのように考えていけば良いでしょうか?

いまの暮らしを見直して、住まいの改造

マンションでの生活を続けていくと、子供も成長して自立し、夫婦だけの生活になったり、田舎の親を呼び寄せたりといったことが、でてきます。
このような場合、どのような生活をしていきたいのかを家族で十分 話し合うことが大事です。 いまの暮らしを見直し、今後の生活を展望し、住まいの改造をすることで生活を改善できます。

三段階の改善点

高齢者に優しい環境にするには、おおまかに言うと次の三つの改善点が挙げられます。
第一は、高齢者にとってやっかいな障害となる床の段差の解消です。
第二は、容易に生活動作ができるための広さの確保です。
第三は、トイレ、浴室、台所、電気器具などの住宅設備機器を日常生活に支障なく使用できる仕様にすることです。

ひとくくりにはできない高齢者

高齢者といっても、精神的にも身体機能的にも程度の差があり、意欲の持ち方でも大きな開きがあります。ですから、修繕工事を行う際には、当人の了解を得ることが大事です。
また、一緒に生活する家族構成により、援助が可能かどうかによっても、異なった対応が必要でしょう。

段差から解消

 さらに最もやっかいなことは、脱衣室と浴室の段差の解消です。多くの場合、マンションの浴室は、ユニットバスを設置していて間仕切り工事の前に搬入されます。設置の後で内装工事をするため、ユニットバスを交換するのは、容易なことではありません。
 また、構造となるコンクリートなどの床スラブの高さが一定な場合が多いので、給水や排水の配管スペース部分の必要性から浴室の床面は、室内の床面より、20cm前後上がっています。
 浴室を全面的に改造する場合は別にして、その段差は、スノコやスロープ板などでなくすほうが経済的でベターです。
 室内とベランダの段差は、スノコなどで解消しますが、手すりの安全性を考えると床をあまり高くはできません。

工事に当たっての注意点

 共用部分と専有部分をきちんと分けて工事することが大切です。
 また、施工者は、マンションの内装工事に実績があり、ある程度手慣れた施工者を選ぶことです。工事に先立って、上下左右の住民には施工者と一緒に訪問し、工事の内容、手順、工期などを説明し理解を得ておくこと、さらに管理組合への事前説明を行い管理人の協力を得ることなどが必要です。

用語解説
ユニットバス…工場で事前に組み立てられたもので、工事現場で再度組み立て直すタイプの浴室